おとな

月がとっても綺麗で
つかもうと思った事

静まり返った夜の街の
遠くで走って見えた電車の事

自分の影が
伸びたり縮んだりして
怖くて走って逃げた事なんか

チラシの裏や紙切れに
毎日のようにかいていた

ある日、先生だったか親だったか

「せっかくだから
このノートに書きなさい」

渡されたB5のノートには
「〇〇ちゃんの詩」
と書かれていた

その時からその子は
かくのをやめた


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