理恵は懸命に
押し寄せる感情を
噛みつぶしていた
ボクは声をかけてあげることも
できないままに
立ち尽くしていた
理恵はようやく辛い過去を
反芻し始めた
その日以来
ワタシは彼女と登下校が
一緒になることはなかった
彼女はいつもより早く家を出て
ワタシの数百メートル先を
自転車で漕いでいた
そんな彼女には
ワタシが後方を
追いかけるように
自転車を漕いでいることが
分かっていた
だけど立ち止まって
ワタシを待つことはない
ワタシの存在は
気にもとめない態度をみせていた
学校でもワタシと
挨拶を交わすこともない
不意に目が合うと
あからさまに避けるように
目を背けていた
ワタシは自分の身に
起こっていることは
真っ向から受け止めた
でもそうされる理由は
どうしても分からなかった

コメント