(変わった形のスープ皿)
本人より気まずそうな顔をしている七海さんが
「間が悪く申し訳ないです。
でも珍しい器が手に入ったので早く見て貰いたくて。」と
言いながら風呂敷包みを目の高さに持ち上げた。
アキさんがタオルで包む様にしてバラバラのマグカップを片付けた
テーブルに風呂敷包みが解かれた。風呂敷が解かれ現れたのは、
触りたいと決して思えない様な薄汚れた石の箱だった。
風呂敷から直にテーブルへと移された時に石箱から埃か石の屑か
解らないがパラパラと細かい白い粉状の物が落ちた。
「ほう~仰々しい箱に入っている器って何ですか?
早く箱の蓋を開けて下さいよ。」
一番、興味深そうに箱に顔が触れんばかりに近づけながら
七海さんを急かせたのは薫さんだった、
七海さんが困り口調で「解りました。開けるので
顔を箱から離してください。」と
言っているが七海さんの顔は満更でもなさそうだった。
箱の蓋を開けると何かに包まれる事無く裸で皿が入っていた。
箱の内側も外側と同じく加工された様子もなく、
荒削りの石そのままで皿を入れる箱には不向きな印象を受けた。
「売りに来た者の話しだとスープ皿らしいのです。」と
言いながら七海さんは骨董店主らしく白い手袋をはめて
箱からお皿を取り出した。
箱から出されたお皿は黒く艶の有る陶器で出来ている様だった。
そして形が少し変わっていて
「奈津夫さん、このスープ皿の形が独特ですね。
注ぎ口の様に見える所が対角に二つ有る。」と
薫さんがすかさず声を上げた。
「流石、薫さん目の付け処が良い!」
よくぞ聞いてくれたとばかりに七海さんが
「実は普通のスープ皿じゃないらしいのですよ。
売り手によると呪われた…違った
呪いのスープ皿らしいのです。」
首を傾げながら紅葉ちゃんが
「ねえ、呪われたと呪いと違うの?」と聞いて来た。
「そうだね、呪われたとは皿に呪いが掛かっていて
使わなくても持っているだけで災いが起こる。
それに対して呪いの皿は使う事によって災いが起こる。
この皿は、持っているだけなら普通の皿だけれど
使う事で災いが起こる皿って事だね。」
薫さんの説明を聞いて紅葉ちゃんが脅えた顔をした。
「カオル!紅葉ちゃんが怖がっているじゃないの。
紅葉ちゃん大丈夫よ、皿が本物の呪いの皿だとしたらの
話しだからね。」
アキさんの言葉に少し安心した紅葉ちゃんだが
偽物と決まったわけでもないのだ。
「そのお皿の呪いって、どんな呪いなのですか?」
思わず口から皿の呪いについての疑問が出ていた。
他の三人も確かにと言う顔で七海さんを見詰めた。
「解りました。この皿が本物の呪いの皿かは定かでないですが、
売り手から聞いた話しをしましょう。」と
七海さんが静かに話し始めた。
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前回も「いいね」有難う御座います。
今回は変わった皿が七海さんによって持ち込まれました。
皿が本物なのか?偽物なのか?
それも気に成る事ですが、どんな呪い?
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