寒空の下の出来事

寒い日の朝
いつも通り友達と一緒に
スクールバスに乗った。
おそらくアイツを乗せていないバスは
前へ進み始めた。

こっそりとアイツを探すべく
窓の外に視線を動かす。
あっ。
いつも通りあそこに並んでる。
いつもより近いかも。
あっ
どうしよう、目があっ--……

寒い日の朝
窓は寒くて結露していたから
本当はよく見えてなかったかもしれない。
もしかしたら目なんてあってなかったのかもしれない。
だけど
そう期待したくなってる自分がいて。
そんな自分を恥ずかしがる自分もいて。
もうアイツのいない窓の外を見て
隣の友達といつも通り喋った。

次は
「あっ」
とかじゃなくて
「おはよう」って言いたい。

そんな
いつもとは少しだけ違った
寒空の下の出来事。


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