ポエム
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雨の中の春風








吐いた溜息は 春なのに白く染まる


冷たい雨に打たれた


桜の花びらたちは静かに濡れていく









「好きじゃないよ、君なんか。」


ずっと自分にも友達にも言ってきた









遅刻だってたくさんするし、


部活だってちゃんとやらない、


不真面目な君なんか。


「嫌いなんだよ、そんな人。」









新しい春の香りのする教室には


私の嫌いな「君」はいない


最初は少し安心だってした









だけど どうしてだろう


寂しいだなんて思うのは









気づいたら廊下で君を探してる


どこかに君はいないか


一目でも見たいんだ









あれ おかしいな


君が近くにいないと不安なんだ


君の一番傍にいたいと思うんだ









ホントは君がいないことに安心したんじゃない


ホントは君がいないとこの想いを抑えられると思ったからだ









認めたくない


君が好きだなんて









手を伸ばせば君に届きそうだけど


やっぱり届きそうにないんだ









近づくことは怖いのに


勇気が出ない自分がもどかしい









その優しく無邪気な笑顔と甘い声


こんなにも冷え切った春の雨の中でも


その君の全てが


私を春風のように包んでいく…









この心に咲いてしまいそうなんだ


春雨の中、大きく膨らんだ蕾


どうか咲かないで………。









15/04/09 00:02更新 / 琉伊蘭

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