ポエム
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帰り道
暑い夏が過ぎてやってきた秋。

学校の下校時刻。

肌寒くて少し震えながらあなたを待ったオレンジ色の夕暮れの中。

片思いの私にはあなたを待つこの時間さえ愛おしい。

遅れてきたキミはごめんと少し微笑む。

その笑顔に私も大丈夫と笑顔を返す。


田んぼから聞こえてくる虫の声。

田んぼに挟まれた砂利道を歩く私とキミ。


25センチ差のあなたを見上げながら歩く帰り道は
とても幸せで。

車の通りに出るとさりげなく車道側を歩いてくれるキミ。

足が長いキミより歩くのが遅い私に合わせて歩いてくれるキミ。

道端のネコジャラシを抜く子供みたいな私を待ってくれるキミ。

きちんと私と家の前まで送り届けてくれるキミ。



幸せだった。


幸せだったのに、


今はキミと歩いたこの道を、この虫の声を聞くたび
私は泣きたくなる。


どうして?

そう問いかけても、25センチ差を見上げても、

キミはもう隣にはいなくて。


キミはあのコと幸せになるんだね。


今は心から応援できないけど、
絶対キミ以上の人と幸せを掴んでみせるよ。


でも、きっと私は
この秋の夕暮れの空と田んぼに挟まれながら歩いた砂利道、
耳をざわつかせる虫の声、

きっと私は忘れない。










14/10/21 18:41更新 / はるか

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