ポエム
[TOP]
今でも空の下で私は…
ごめんなさい。


あの時、窓辺で佇んでいたのは


物語の結末を私は、私の中で
書き上げてしまったからでした。




眠りたくはなかった。


朝が来て日が昇ると、
いよいよ 二人の日々に
幕が下りるようで怖かったの。


ずっと 貴方の傍にいたかった。




ホテルの明かりを消して
大阪の夜景を見つめながら
静かに語り合ったあの日に


戻れるものなら戻りたいよ…




私達は少し 特別 だったね。


パイロットになる貴方と
夜は他の男性に抱かれる私。




出会わなければ良かったのかな?




私は貴方の輝かしい人生に
闇を落としたかもしれない。


貴方に想いを告げられた時
本当のことを告げて
自ら突き放すべきだったね。


ごめんなさい。




本当のことを告げるのが
遅すぎました。




「私には違う名前がもう一つあって
貴方以外の人と肌を重ねる時間もあるの」


…貴方を傷つけてしまいました。


それでも、優しく私の名前を呼んで
愛でてくれたこと、
とても 感謝しています。




私は私の生き方を、初めて憎みました。


でも、この道を選ぶしか
私には選択肢が無かったのです。


違う道があったならと 悔しく思います。




これ以上一緒に居たら
貴方に悪影響だ…




ごめんなさい。


あの時、窓辺で佇んでいたのは
物語の結末を私は、私の中で
書き上げてしまったからでした。


眠りたくはなかった。




貴方の肩にもたれ掛かりながら
そのまま夜に溶けたかった。




「別れよう」




この五つの音に乗せ、今までの思い出も
全て捨て去る覚悟で伝えました。


なのに貴方は、


「また会おう」


…と涙を流しながら
私の頬を、頭を撫でてくれましたね。


「別れようだなんて
嘘に決まってるじゃん!」


って、笑って言えたなら
どんなに幸せだったか…




「愛してるの本当の意味、
分かりましたか?」




そう言って、最後の口付けを残して
遠ざかってゆく彼の背中…




もう会えないことは分かってました。
涙が止まりませんでした。


貴方に愛された私は幸せでした。


貴方だけを選べる術があったなら
是が非でもそうしたかった。


術があったのなら…




それから二度と会うこともなく
声すら聞いていないけれど


貴方が、貴方らしく
パイロットという夢に
一歩ずつ近付いていることを


私は、今日も空の下で一人
願っています。




もしも 生まれ変わったなら
もう一度 貴方に愛されたい。




今度は、綺麗な私で…
16/01/30 18:43更新 / アヤネ

■作者メッセージ
初めまして。アヤネ(20)です。この物語は実話ですので、少し共感し得ない部分もあるかと思いますが、私1人では切なくて胸が潰れそうだったので、こういう形で投稿させて頂きました。

TOP | RSS | 感想



まろやか投稿小説 Ver1.53c